根管治療を軽視するとどうなる？歯の土台を守る本当の重要性｜新着情報

「とりあえず被せれば大丈夫」と思っていませんか？

「神経を取ったから、もう痛くない」
「被せ物をしたから治療は終わり」

こうした言葉を、診療の中で耳にすることがあります。
確かに、痛みが取れると「治った」と感じやすいものです。しかし、歯科医として長年診てきた立場からお伝えしたいのは、痛みがなくなった＝歯が長くもつ状態になった、とは限らないという事実です。

歯の中の治療、いわゆる根管治療は、見えない部分の治療であるがゆえに軽視されがちですが、実は歯の将来を大きく左右する重要な工程です。

 

 

根管治療は「最後の砦」ではありません

根管治療というと、

「神経を取る治療」
「できれば避けたい治療」
というイメージを持つ方も多いでしょう。

しかし、根管治療の本来の目的は、歯を残すために内部環境を整えることにあります。

歯の内部には、神経や血管が通る細い管（根管）があり、虫歯が深く進行すると細菌がこの中に入り込みます。
この状態を放置すると、歯の根の先で炎症や感染が起こり、やがて抜歯が必要になるケースもあります。

つまり、根管治療は「悪くなったから仕方なく行う治療」ではなく、歯を失わないために必要な治療なのです。

 

 

根管治療は「歯の基礎工事」

私は患者さんによく、根管治療を建物の基礎工事に例えて説明します。

どれだけ立派な家でも、基礎が不安定であれば、いずれ傾き、壊れてしまいます。
歯も同じで、表面にどんなに良い被せ物をしても、内部である根管が適切に治療されていなければ、長くはもちません。

根管治療では、

• 細菌に感染した組織の除去
• 根管内部の洗浄・消毒
• 再感染を防ぐための緊密な封鎖

といった工程を丁寧に行います。

根管は非常に細く、複雑な形をしているため、時間と精度が求められる治療です。
そのため、治療回数が複数回に及ぶこともありますが、これは歯の基礎をしっかり作るために必要な過程です。

 

 

「見えない治療」こそ、歯の寿命を左右します

根管治療は、治療後に見た目で違いが分かるものではありません。

しかし、見えない部分だからこそ、治療の質が歯の寿命に直結します。

中途半端な根管治療では、

• 再び細菌が侵入する
• 数年後に再治療が必要になる
• 最終的に歯を失う

といったリスクが高まります。

逆に言えば、適切な根管治療が行われていれば、その上に被せる歯も安定しやすくなるのです。

 

 

まとめ｜根管治療は「今」だけでなく「これから」を守る治療

根管治療は、

「痛みを取るための治療」
ではなく、
「歯をこれから先も使うための治療」です。

目立たず、地味に思える工程かもしれませんが、歯の内部を整えることは、将来のトラブルを減らすための大切な一歩です。

 

 

ご相談・お問い合わせのご案内

神奈川県藤沢市辻堂のカバサワデンタルオフィスでは、

根管治療を単なる処置としてではなく、歯を守るための重要な基礎工事と考え、丁寧な診査と説明を大切にしています。

「根管治療が必要と言われたけれど不安がある」
「できるだけ歯を残したいと考えている」

そんな方は、どうぞお気軽にご相談ください。
治療を受けるかどうかは、話を聞いてから決めていただいて構いません。

ご自身の歯と、これから先の健康のために、納得できる選択を一緒に考えていきましょう。