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Blog /親知らずを抜く前に知っておきたい、自分の歯を移植する選択肢

親知らずを抜く前に知っておきたい、自分の歯を移植する選択肢

「親知らずが横を向いているので、そろそろ抜きましょう」。歯科医院でそう言われて、抜歯の予約をこれから取ろうとしている方もいらっしゃるかもしれません。多くの方にとって親知らずは「邪魔者」で、抜いたらそのまま処分されるもの、というイメージがあると思います。

ですが、その抜く予定の親知らずが、別の場所で失った歯の代わりとして働いてくれる可能性があるとしたら、少し見方が変わるのではないでしょうか。

今回は、ご自身の歯を移植する「自家歯牙移植(じかしがいしょく)」という選択肢について、どんな歯が使えるのか、どんな条件が必要なのかを中心にお話しします。

 

抜いた歯を「捨てない」という発想

自家歯牙移植とは、ご自身のお口の中にある不要な歯、あるいは機能していない歯を、歯を失った場所へ移植する治療法です。もっとも多く使われるのが親知らずで、ほかにも矯正治療などで便宜的に抜く歯が候補になることもあります。

この治療の大きな特徴は、移植した歯の根のまわりに歯根膜(しこんまく)という組織が残る点にあります。歯根膜は歯と骨をつなぐクッションのような膜で、噛んだときの感覚を脳に伝えたり、力を和らげたりする役割を担っています。インプラントは骨と直接結合するため、この歯根膜がありません。そのため「自分の歯に近い噛み心地」という点では、移植歯ならではの利点があります。

一方で、どなたにでも行える治療ではありません。条件が揃って初めて検討できる治療だということも、あわせて知っておいていただきたいところです。

 

ドナー歯に求められる条件

移植のために提供される歯を「ドナー歯」と呼びます。ドナー歯として使えるかどうかは、主に次のような点から判断します。

  • むし歯や歯周病が進行しておらず、歯として健康な状態であること
  • 移植先のスペースに対して、大きさや形が大きく外れていないこと
  • 歯根の形が複雑に曲がっておらず、抜くときに損傷しにくいこと
  • 歯根膜が傷つかない状態で、丁寧に抜歯できる位置にあること

 

特に重要なのが、最後の歯根膜です。移植の成否は歯根膜がどれだけ健全な状態で保たれるかに大きく左右されるため、骨の中に深く埋まっていたり、骨と癒着していたりする親知らずは、ドナー歯として難しい場合があります。

また、歯根が完成しきっていない若い方の歯のほうが回復の面で有利とされ、一般的には年齢が若いほど条件が良い傾向があります。とはいえ30代、40代の方で移植を行うケースもありますので、年齢だけで諦める必要はありません。

 

受け入れる側(移植先)の条件も大切

見落とされがちですが、歯を受け入れる側の状態も同じくらい重要です。

  • 移植した歯を支えるだけの骨の量が残っていること
  • 移植先の周囲に強い炎症や感染がないこと
  • 噛み合わせの力が、移植歯に過度にかからない見通しが立つこと
  • 歯周病が安定しており、治療後の清掃管理ができること

歯を失ってから長い時間が経つと、骨がやせて移植歯を支えきれなくなることがあります。そのため、抜歯と移植のタイミングを近づけられるかどうかが、適応を判断するうえでの鍵になります。歯を抜いたその日に、同時に移植を行う方法が選ばれることもあります。

 

治療の流れと、知っておきたいリスク

一般的な流れとしては、まずレントゲンやCTでドナー歯と移植先の骨の状態を立体的に確認します。歯の形や根の向きを詳しく把握したうえで、移植が可能かを判断します。

移植後は歯を一定期間固定し、落ち着いてきた段階で根の中の治療(根管治療)を行うことが多くあります。移植した歯は神経への血流が絶たれるため、内部を清潔に保つ処置が必要になるためです。当院が力を入れている精密な根管治療は、移植歯を長く保たせるうえでも欠かせない工程だと考えています。

なお、移植歯が骨とうまく結合しない、根が吸収されてしまうといったリスクもゼロではありません。確実に長持ちするとお約束できる治療ではないため、インプラントやブリッジといったほかの選択肢と比べながら、ご自身にとって納得できる方法を選んでいただくことが大切です。

 

まとめ

親知らずは、ただ抜いて終わりとは限りません。健康な状態で取り出せる歯であれば、歯を失った場所で再び働いてくれる可能性があります。ドナー歯の健康状態、歯根膜を傷つけずに抜けるかどうか、そして移植先の骨や歯周組織の状態。これらが揃ったときに、自家歯牙移植という選択肢が現実味を帯びてきます。

大切なのは、親知らずを抜く前に一度立ち止まって相談していただくことです。抜いてしまった後では、この選択肢は選べなくなってしまいます。

辻堂カバサワデンタルオフィスでは、CTによる精密な診査をもとに、自家歯牙移植が適しているかどうかを丁寧にご説明しています。親知らずの抜歯を控えている方、どこかの歯を失ってお悩みの方は、治療方針を決める前にどうぞお気軽にご相談ください。あなたのお口に残された可能性を、一緒に探させていただきます。

 

「お口全体」の機能性と美しさを追求する
藤沢市辻堂駅直結の歯医者・歯科
《辻堂カバサワデンタルオフィス》
住所:神奈川県藤沢市辻堂1-2-2 リストレジデンス辻堂タワー1階

TEL:0466-34-3555

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記事監修者情報
辻堂カバサワデンタルオフィス

院長 椛沢 岳芳

学会・所属団体

  • 5-D Japanインストラクター
  • 5-D FST 役員
  • 5-D Young役員
  • 湘南デンティストリー 顧問
  • 日本顎咬合学会 会員
  • 日本歯内療法学会 会員
  • 日本臨床歯周病学会 会員
  • 日本顕微鏡歯科学会 会員
  • 日本歯科保存学会 会員
  • 日本歯科審美学会 会員